こんばんは、新田です。
「最近話題のあの人シリーズ」
ということで(はじめてやりますが)、
今日は、今話題の、
「NHKから国民を守る党(N国)」
の代表の立花さんについて、お話しします。
この存在自体はもう誰でも知っているかと思いますが、
実際にどんなことをしているか?に関しては
意外と知らない人が多いので、
今日は解説したいなと思います!
(ちなみに、最初に断っておきますが、
僕のこの党に対する個人的な意見は、あえて挟みません。
あくまで事実を元にして、「勉強」として解説するので、
個人的な見解とかは、また個別に聞いてください。)
この政党、名前からしてぶっ飛んでいますが(笑)、
実際に当選しちゃったから、よくニュースで話題になっています。
実は、この立花さん、
「政治家Youtuber」
なんですね。
なので、かなりネットビジネス的な手法を取り入れています。
そして、政見放送も、コピーライティングを駆使しています。
(今回取り上げたのは、その勉強のためです。)
では、具体的に、立花さんがどんな政見放送をしたのか?というと、
まず最初に、
「私の公約はたった1つ。
それは、NHKを、ぶっ壊す!!d(・ω<)」
とぶっこんできたのです。
これを、NHKの放送でやっているので、非常にシュールです。
(NHKは、政見放送は絶対に流さないといけないので
どんなに流したくなくても流さざるをえないのです。)
具体的には、
完全にNHKを潰すわけではなく、
「スクランブル放送にする」
ということを目指しているそうです。
つまり、電気代とか水道代を払わなかったら自動的にストップするように、
NHKも、払わなかったら勝手に配信をストップされる仕組みにしたらいいだろう、
ということです。
この党の凄いところは、
“NHKをぶっ壊す、ということ以外、一切何も言っていない"
ということです。
皆、細かい法律とかをうだうだ言って、
多くの人にとってはつまんない(あるいはピンと来ない)放送が多い中、
政治にあまり興味なかったとしても、
この人が当選したらNHKの受信料払わなくていいなら、この人でいっか!
となったりするわけです。
実際、NHKの受信料の徴収って、
かなりストレスを溜めている人が多いです。
ちなみに、我が家にも、昔来たことがあって、その時は、
若い女性の人が家に来て、
「すみません、この近辺の電波を確認しに回っているのですが、
テレビの電波状況を確認したいので、数分お時間大丈夫でしょうか。」
って言われたんですね。
当時、何も知らなかった僕は、
まんまと家を開けてしまったのですが、
そしたら「NHKです(ニコッ)」と言われました。
もうこの時点でかなりイラっとするわけで、
払おうと思ってても「騙された感」があって
払う気が削がれるわけです(結局払ったんですけど)。
実際、NHKの受信料を徴収しているのは、
別会社に委託しているらしく、
そこでは「ノルマ」みたいなものがあって、
あの手この手を使って払わせようとします。
まぁなので、ストレスを溜めている人がかなりいるので、
それをうまく使ったわけです。
そして、政見放送は続きます。
「今後、スマホやインターネットでも、受信料がかかるようになります。
こんなこと、許せますか??」
と訴えるのです。
こんな風に、
「(分かりやすい)共通の敵」を作り、
「このままいけば未来はこうなる!」
というイメージをさせる(恐怖を使う)のが、大衆扇動のコツです。
そうやって視聴者のストレスを高めたところで、
「令和の百姓一揆を起こしましょう!!」
と主張します。
ここで、こんな例えを用いるのです。
「エリート国会議員がお代官様。
我々庶民が、百姓です。」
と説明したのです。
これも、非常に上手なんですね。
本来、
国会議員 vs 庶民
という構図になってしまうところを、
N国&庶民 vs 他の国会議員
という構図がイメージできるようにします。
「我々」という言葉を使うことで、
あえて「私はあなた達側の人間です」ということを
受け入れさせているのです。
そして、その後、
「デフレで景気が悪いのに消費税を増税するとか、
ワンセグ機能付きの携帯電話で普通のテレビと同額の受信料をとるとか、
インターネットからも受信料を奪い取るとか、
ホテルの客室も全室受信料を払えとか、
もういい加減にしてくださいお代官様。
みなさん、一緒に「投票」という百姓一揆を起こしましょう。」
と主張します。
これも上手で、
ほとんどNHKの受信料のことしか言ってないんですが、
一番最初だけ、あえて「消費税増税」に関しても入れてきたのです。
消費税増税に関しては、基本的に皆「嫌だ!」とは思っていますが、
特に、今、このタイミングで増税するのは、
誰が見てもおかしいんですよね。
「それは悪手だろアリンコ」
というネテロ会長の言葉がふさわしいくらい、
今やるのはあり得ない(というかひどい)し、
頭の良い人は満場一致で「今は消費税増税すべきでない」と言っています。
(ちなみに、消費税増税によって税収が増える分、所得税が減ります。
まぁつまり、貧乏人をさらに苦しめるための政策だということです。)
こんな風に、
「誰が見ても明らかな(賛同されやすい)主張」を最初に入れて、
その後に「自分の主張」を混ぜる、
というのも、コピーライティングでよく使う手法です。
最初にYesを取ってしまって、その勢いで残りもYesにしてしまうのです。
こうやって、NHKを一緒に潰そう、と散々言った後、
最後の方では、こんなことも言います。
「私は、NHKが大好きだからこそ言っているんです。
今のNHKは、公共放送の役割や使命を理解していません。」
これも上手なんですね。
建前上かもしれませんが、
NHKを完全に潰すというわけではなく、
あくまで「使命を全うしてほしい」という主張に
持っていっているのです。
そしてラストは、
「さぁ!お茶の間の皆さんもご一緒に!
NHKを、ぶっ壊す!!d(・ω<)」
と言って締めました。
・・・という感じで、
この党の公約が良いか悪いかという話ではなく、
純粋に、ストーリーの作り方や、説明の仕方が、
非常に上手だな、と思いました。
ちなみに、最近は、
「マツコデラックスをぶっ潰す!」
ということを主張しているそうです・・(笑)
マツコデラックスさんが、N国を「気持ち悪い人たち」と発言したことに対して、
「私のことはどう言われてもいいけど、
投票してくれた有権者の皆さんをバカにするのは許せん!!」
と怒っているのだとか・・。
これに関しても、賛否が巻き起こっていて、
何かと話題になっている人ですね。
(結構、Youtuber的な炎上のさせ方をしますね。笑)
N国の是非は置いておいて、
ちょっと違う話をすると、
最近、選挙のあり方が変わってきたな、
と感じました。
数年前とかは、
三宅洋平さんが、ライブみたいな選挙演説をしている、
というので話題になりましたね。
あの人の主張も、面白かったのです。
彼は、こんなことを言っていました。
「僕みたいな人間は、普通選挙で当選することはまずない。
だからこそ面白いんだ!
こんな僕みたいな人間を、皆の力で当選させることができたら、
日本はきっと変わるはずだ!!」
と主張したのです。
つまり、公約とかそういうのはどうでもよくて、
「僕みたいな人間が当選すること自体に意味がある」
という主張だったのです。
もはや、選挙のルールの書き換えをした(再定義した)という意味では、
非常に新しい風を起こしたと言えるでしょう。
今回のN国も、新しい時代のやり方だなと思います。
「NHKをぶっ潰す」
という一点突破だけで当選してしまったわけですから、
面白いですよね。
さて、これからどうなっていくのでしょう・・・。