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素晴らしい映画を見つけたので紹介します。

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こんばんは、新田です。


最近、素晴らしい映画と出会ったので、
それを紹介します。

(紹介したい!と思いつつ、遅くなりました・・!)


その名は、

「ルックバック」

です!!


これは、2024年で観た映画の中で
一番面白かった映画ですね。

ちなみに、ここ数年の良かった映画は、

2022年
1.すずめの戸締り
2.RRR

2023年
1.Blue Giant
2.ゴジラー1.0

2024年
1.ルックバック NEW!!
2.キングダム大将軍の帰還 NEW!!

こんな感じでした~。

ちなみに、今日は触れませんが
キングダム(今やってるやつ)も
めちゃくちゃ良かったです。

まぁ、”あの話” を実写化してるので
面白くならないわけがないのですが。

キングダムは有名なので、今日はおいといて、、


今回紹介したい映画「ルックバック」は、
存在自体をそもそも知らないって人も多いと思います。

また、上映してる映画館もそんな多くなく、

さらに、上映時間が「58分」という
映画にしては非常に短い作品なんですよね。


でも、これはぜひ、
映画館で観てほしいです・・・!!

特に、
・クリエイターや経営者の方
・最近心動く体験があまりないなという方
・とにかくエモいものが観たい!という方
には非常にオススメ!


本当はめっちゃ解説したいんですが、
なるべくネタバレ無しで観た方が面白いので、

重大なネタバレは避けた上で、
ストーリーを紹介しましょう。


この映画のテーマですが、

「失った青春を取り戻す」

です。


で、メインで2人の登場人物が出てきます。


「藤野」

「京本」

という2人の女の子。

というか、この2人以外のキャラは
ほとんど出てきません。


彼女たちは、互いに「漫画家」を目指しているのですが、
この2人、性格が “真逆” なんです。


“藤野”
・社交的で、プライドが高く、自分の才能に自信を持っている
・すぐ人と比べてしまい、自分より才能がある藤野の存在にショックを受ける

“京本”
・内気で、不器用だけど、純粋で、人の役に立ちたい!と思っている
・自分より才能がある藤野に密かに憧れている(でも、実は光る原石を持っている)


この2人、お互いがお互いのことを、
「自分より優れた才能を持っているな」
と思っているのですが、

藤野は、自分より才能がある京本を見て悔しいって思って、
京本は、自分より才能がある藤野をかっこいい!って憧れている

そんな違いがあるのです。


元々、京本はずっと「引きこもり」だったんですが、

ある日、藤野が家に訪ねてきて、
外の世界に出るきっかけを作るのです。


この時、京本には「2つの選択」があり、
そこには「2つの世界線」ができます。


世界線A:家から出て、藤野と生きていく世界線

世界線B:家にずっと引きこもって1人で生きていく世界線


この「世界線」というのが、
この物語のキーワードになります。


世界線Aでは、京本と藤野は、
共に青春の日々を過ごします。


一方で、世界線Bでは、
2人は出会わず、青春の記憶は存在しません。


この物語は、
この「2つの世界線」が
互いに干渉し合う(ように見える)

というお話。


そして、どっちの世界線が、
2人にとって幸せな未来なのか??

・・・ということを考えさせられる物語です。

(ネタバレできないので、これ以上は書けません。)

ストーリー自体も非常に面白いんですが、

僕は、ちょっと違った見方で
この映画を観ました。

すでにこの映画を観たという方も、
こう捉えると、もっと面白く感じるのではないでしょうか。


その見方とは・・・

「この2人の登場人物(藤野、京本)は、
 作者(藤本タツキ先生)の中にいる2人の自分の投影であり、

 同時に、

 『すべての人』の中に存在している2つの側面」

を描いている、という視点です。


よく、この作品の評価として、

「これは作者が自分のことを表現している」

と言われたりしてて、

確かに「その通り」なんですけど、

それだけじゃ無いんです。


確かに、作者自身のことを表現してるんですけど、

それと同時に、

「すべての人に、この2つの側面(アーキタイプ)があるよね」

ということを描いてるんです。


つまり、

(藤野的な)
「自分の才能にプライドを持っていて、
 才能を磨いて、人より優れた自分になりたい!と思っている自分」

(京本的な)
「自分に自信がなく、だけど純粋でまっすぐで、原石が眠っていて、
 すごい人を見たら素直に憧れられる自分」

という2つの側面。


例えば、ビジネスで言ったら、
自分より稼いでいる人を見て、

「くそー!私より才能あるの悔しい!!
 負けてたまるか!!」

と思いつつも、同時に、

「この人かっこいいな!自分もこんな風になりたいな!」

という自分がいたりする。


どっちが良くて、どっちが悪いとかはなく、
人は必ず両方の側面を持っていて、

そして、みんな、

“どっちかが表に出ている”

んです。


すなわち、コインの表裏の関係であり、

本来は、両方の自分を統合させたときに、

1人の人間が完成し、

「本当の才能」が開花するわけです。


その「もう1人の自分」を発見するためには、

その性格を持った人と、深く関わることです。


彼女たちは、お互いに真逆の性格でありながら、

うっすらと、

「自分の中に、この人がいる」

と感じていた。


こういう面を、自分も持っているな

ってどこかで思っていた。


だから、共に青春の日々を送りながら、

互いの中に眠る「もう1人の自分」を

発見していく、ということをしていたのです。


ただ、ここで大事なのは、

「もう1つの側面を発見し、統合する」

ということ。


つまり、コインの表と裏、
両方でセット(1つ)!

なんです。


だから、

本質は「表」の人が、

「実は、『裏』が本当の自分なんだ!」

って思ってしまったらいけないのです。


何者でもないことが良さだったのが、
何者かになろうとしてしまった時、
ボタンのかけ違いが起こってしまいます。


そうして、青春とは、
ある日突然、終わりを迎えてしまうのです。


この「ルックバック」と
似た構造になっているのが、

呪術廻戦の「懐玉・玉折編」

です。

(これに関しては、以前YouTubeにあげた解説を参照!)


この物語においては、
夏油傑は、五条悟の才能に憧れ、

「何者かになろうとした」

ことで、最終的に、自分の弱さに耐えきれず、
心が折れてしまった(玉折した)のです。

(本当は、自分の中に、本当の光る原石が眠っていたのに。)


それによって、確かに、2人の青春の日々は、
(いったんは)終わりを迎えてしまった。


でも、お互いの心の中で、
その「青春の日々」は生きていた。


呪術廻戦では、それを、

「今でも、青が棲んでいる
 今でも、青は澄んでいる」

という「歌」で表現していました。


五条悟は、夏油傑との関わりを通して、
自分の中のもう1つの側面に気づいた。

そして、「懐玉」(才能が開花)したのです。



ルックバックは、別に闇落ちする話ではないですが、

呪術廻戦に、少し似たものを感じました。

でも、ストーリーの構造は全然違うもので、

また別の角度から「青春」というものを描こうとしています。


自分にとって、忘れられない青春があったり、

あるいは、全くなかったり(僕は10代は全く青春なかった人間です。w)

「あの時、こうしてたら、違う世界線の未来ができていたかも」

って思うことがあったり、色々あると思うんですよね。


でも、青春って、別にアオハル的なものだけではなく、

何歳になったって、今、この瞬間、青春は送れるのです。


なぜなら、過去の青春の記憶は、
今、自分の中にある(青は棲んでいる)から。

そして、もし、そんな青春の記憶は無かったとしても、
違う世界線(パラレルワールド)で送った青春の記憶を
自分の中にインストールすることができる。

その青春の日々は、純粋なもの(青は澄んでる)であり、

それが、どんな年齢だとしても、
今、この瞬間を「青春」にしてくれるのです。


本当は、もっと詳細に話したいところではありますが、
ネタバレすると面白さが半減するので、

今日の話を読んだ上で観てもらえたら、
だいぶ違った捉え方ができるのではないかと思いますので、

ぜひ、映画館で観てみてください!!


ストーリーもいいんですが、
アニメーションとしてのクオリティもめちゃ高いです。

最近は、新海誠監督とか、鬼滅の刃とか、
CGを駆使してウルトラクオリティの作画のものが多いですが、

こんな時代に、あえて「手書き」で勝負してる
手作り感があたたかみを感じさせてくれます。


そして、音楽がまた素晴らしい!


めっちゃオススメな映画です。


また、今日の感想など、Xにて送ってくださいませ。
https://x.com/mintia_tweet


それでは、今日はこの辺で。


ありがとうございました。