映画「キングダム」から学ぶ新時代の帝王学

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こんばんは、新田です。

ずっと書こう書こうと思って書けなかったんですが、
映画「キングダム」を観てきました。

この映画、久しぶりに「オススメしたい!」と思える映画で、
“Next Tribe推薦映画”って言っても良いかもしれません。

なので、今日はこの映画を解説したいなと思います。
原作とほぼ同じ話なので、映画か原作を見てない人には
少しだけ内容にも触れますが、重要なネタバレはしないようにしますね。


というか、この漫画自体、非常に学びが多くて、
これまで、何度もセミナーで題材にしました。

例えば、

・王騎将軍から学ぶ感覚継承(伝授)とは?(信を馬に乗せるシーン)

・羌瘣(キョウカイ)から学ぶ憑依ライティング(巫女の舞)

・蕞(サイ)の要塞編から学ぶコミュニティ作りの極意(民衆の焚きつけ方)

etc..

(それぞれ、過去の講座で解説しています。)


ちなみに、今回の映画は1〜5巻までを実写化していて、
物語ではまだ序盤中の序盤です。
コミックの数を考えると、あと10回くらいは実写化できそうですね(笑)

でも実写としてのクオリティは非常に高いです。
キャラの再現率が異常に高いし、
原作ファンも納得の出来なんじゃないでしょうか。


とにかく、政(後の秦の始皇帝)がかっこ良いです。
あの若さにして王の器を備えすぎです。笑

(いや、実際の秦の始皇帝は、あんなんじゃないとは思いますけど。)


今回の映画のストーリーを、ざっくりと話すと、

王国(秦)が、始皇帝の弟に乗っ取られてしまったので、
弟を倒すために、山の王(楊端和)を仲間に誘って、
一緒に戦おう・・・!っていう話ですね。

で、まぁ、王国取り戻すわけなんですけど。


「ネタバレしないでくださいよ!!」
とか言わないでくださいね。
そんなもん、中華統一するんだから、取り戻せたに決まってます。

それは、大河ドラマ見てて「織田信長って最後死ぬんだよ」って言って
「ネタバレすんなよ!!」って言うようなもんです。


この物語は「史実に則ったフィクション」なので、
あくまで史実に忠実ではあるけど、
「書かれていない部分に関しては自由に作っていいよね」
というスタンスなのです。

なので、歴史は知った上で、
「その間をどう埋めるか?」
を楽しむ作品なのです。

整数部分は決まっていて、
その間の少数を埋めていくようなイメージですね。


さて、この物語は、
・信(下僕の出身で、のし上がって後に大将軍になる。)
・政(後の秦の始皇帝。中華を統一する。)
の2人が主人公の物語です。
(メインの主人公は信です)


この2人、性格が「真反対」なのです。

いわば、信は、猪突猛進型、タイヘキでいうと奇数種で、
余計なことは考えずにとにかく即行動!!というタイプ。

一方で、政は、常に冷静沈着で、
高い視点で俯瞰して見続けることができる、
まさに戦略軍師タイプです。


真反対だからこそ、
お互い補い合って、相性が良いんですね。


そして、「帝王学」という観点で言うと、
(個人的に)今回の映画の最大のポイントは、
山の王(楊端和)を仲間に誘うシーンです。


最初、山の王は、
政たちの誘いを断ります。

むしろ、政たちを殺そうとすらします。

なぜなら、400年前に、山の民が秦の人たちによって殺されていて、
その恨みがあったからです。


しかし、それに対して、2人は、それぞれ全く違った角度から、
楊端和を諭します。

(ここから、若干内容に触れますが、知った上で観てもらった方が良いと思うんで書きます。
どうしても一切のネタバレなしで観たい場合は、観てから読んで下さい!)


政は、
「山の王よ、恨みや憎しみで王が剣を取れば、怨嗟の渦によって国は滅ぶぞ。
王ならば人を生かす道を拓くために剣を取るべきだ。」

と主張します。


それに対して、山の王(楊端和)は、
「じゃあ、お前が目指す道とはなんだ??」
と問います。


すると政は、

「俺は中華を統一する最初の王になる。
そのために協力を求めにきた。」

と続けます。


政は、基本、誰に対しても、これしか言ってません。

でも、この志の高さが、
多くの人を感化し、仲間にしていきます。


しかし、楊端和に関しては、
これじゃあ怒りが収まりませんでした。

いや、もしかしたら頭では分かってはいたけど、
どうしても受け入れられなかったのかもしれません。


そこに信が割って入ります。

「なーんか難しい話ばっかしてっけど、
こいつ今困ってんだから、人助けだと思って助けてくれよ!!」

・・と。


そして更に、

「もしお前らが本気で死んだ奴のこと思うなら、
奴らの見た夢を、現実のものに変えてやれよ!!」

と言うのです。


これで、楊端和は、心を動かされたのです。

(続きは、映画館で・・・!)


こう見た時、この2人って、本当に最高のコンビなんですよね。


多分、政だけで来ても、あるいは信だけで来ても、
楊端和の心は動かされなかったでしょう。


政は、ひたすら高い理想を語るだけ。

確かに高い理想を持ち、王としての貫禄を見せ続け、すごいなと思うけど、
でも、頭では分かっても納得いかない!となるのです。


逆に、もし信だけで来ていたら、
「なんだこの失礼なやつは!」
と思われて、すぐ処刑されていたでしょう。


でも、両方に全然違う角度から諭されたからこそ、
心を動かされたのです。


これを僕は、新しい時代の帝王学として、
非常に大事だなぁと思っているわけです。

これを別の言い方で、
「男性性的帝王(King)と女性性的帝王(Queen)の統合」
と言いましょうか。


どっちが男性性的か?って言うと、難しいところです。
一見すると信の方が男性性強そうに見えます。

でも、彼は非常に感覚的であり、
まるで、夫が理屈をこねてる時に
「難しいことはよく分かんないけど、さっさとやろうよ」
といきなり本質を突く嫁のような存在です。

そういう意味では、女性性的とも言えます。


楊端和も、政に諭された時、
確かに言っていることはまともだけど、
どうしても受け入れられませんでした。

「恨みで剣を取るな」と指摘され、
このまま従うのは悔しいと思っていたのかもしれません。


でも、その後、信の、あまりに非論理的で、
バカっぽい、だけど本質を突いていることを言われて、
拍子抜けしつつ、「もういいか」となったのです。


王の嫁って、そんな感じなんじゃないでしょうか。


男が高い理想(理屈)を永遠と語っている時に、

「なんか難しくて何言ってるか分かんないけど、
いいじゃん、さっさとやりなよ。」

とガス抜きしながら、後押ししてくれるのです。


政は、自分の高い理想を語りつつも、
しかしそれによって多くの人が死んでいくのを背負って、
時々葛藤する時もあります。

しかし、そんな時はいつも信が側にいて、
バカなんだけど、本質をズバッと言ってくれて、
それで救われるのです。


映画の最後のシーンで、秦の始皇帝は、
「それは王道ではないぞ。」
と言われます。

Next Tribeでは、
・王道(おうどう)
・覇道(はどう)
という2つを解説しました。


王道とは、徳を持って、国を治めていくことを言って、
覇道は、武力を用いて、侵略して、広げていく政治を言います。


なんとなく、そう聞くと、覇道の方は悪いように見えますが、
一概にそうとも言えません。

そもそも、善い、悪いというのは、
人間が勝手に作った尺度です。

あの戦国時代において、覇道がなかったら、
逆に侵略されて潰されてしまいます。


秦の始皇帝となる政は、自分の国の民の命を背負っているからこそ、
あえて王道ではなく覇道でいき、
しかしそれで中華を統一し、平和な世を築こうとしたのです。
(あくまで「キングダム」の物語上の始皇帝がです。)

覇道ではあるけど、非常に徳の高い王です。

もはや、人を殺すのは悪、みたいな概念自体が、
この時代においては通用しません。


完全に覇道に落ちて、ただ侵略だけを考えたら楽かもしれませんが、
政は常に「全人類の調和」を目指していて、
善悪というものを超越した視点で世界を見ています。


「善悪を超えた存在」
として、Next Tribeでは「國體(こくたい)」という組織を紹介しています。

國體は、善悪を超えて、
世界のバランスを取ろうとする人たちです。

逆に、表の世界の歴史を作っているのが「政体」です。


この両者が絡み合って、歴史というのは作られているのです。


キングダムも、そんな感じで、
政というのは、善悪を超えた、本当に中華全体の調和を考えて、
だからこそあえて覇道で行く、という選択を取っています。

信の方が、どっちかっていうと人間的で、情に熱く、
だけど政のことを信頼して、従っています。


そんな2人の織りなすストーリーが「キングダム」では描かれています。


ちなみに、2人の絆だったり、良さが特に描かれているのが、
31〜33巻の「蕞(サイ)の要塞編」です。

キングダムを読んだことがない人は、
この3巻だけでも、読んで欲しいですね。

前提知識なくてもOKです。
何度読んでも胸がアツくなる展開ですよ!!


もちろん、映画「キングダム」も本当オススメなんで、
ぜひ、劇場で観てみて頂けたらと思います!!


それでは、今日はこの辺で。

ありがとうございました!

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