~目次~
第0章 新田祐士は何をして自由な暮らしを手に入れたのか?
第1章 京都大学での生活~研究者の道と就職への道~
第2章 何故今の会社に就職するとヤバイのか?! ←今ココ
第3章 新田祐士の地獄のバイト生活時代
第4章 資本主義社会と情報ビジネスの世界
僕は常々、「安定」を目指してきました。
昔から、大きな家を建てて、老後はのんびりと過ごして・・・
みたいな、誰もが描く、典型的な「将来の理想像」です。
その為にも、なるべく潰れにくい、安定した会社に就職して、
安定した生活を送りたい。
・・・と、そう思っていました。
その為にはどこに就職すれば良いのか?と考えたところ、
当時あまりに無知だった僕が出した結論は、
「電力会社に入ろう!」
でした。
いかに安定した会社、つまり潰れない会社を考えたところ、
生活維持に不可欠な事を担っている所が良いなと考え、
それでいくと、食糧とか、エネルギーとか、医療とか、この辺りです。
で、僕は理学部だったので、
エネルギー関連の企業に入ろうと考えていました。
自己分析とかもまともにせずに出した、「ここが最も安泰だろう」という結論です。
(なんて浅はかだったんだ当時の自分・・・)
でも、その考えを大きく揺るがせたのがあの出来事。
そう、東日本大震災です。
あれにより、「一番安全だと思っていた電力会社ですらヤバイ」って事を知り、
もはや何が正しいのかが分からなくなってきたのです。
かつては「日本屈指の優良企業」と言われた会社を見ると、今や大赤字、なんてところばかりです。
最も安定と言われてた公務員だって、どんどん待遇が悪くなってきています。
大企業がどんどんヤバくなってるのは、考えてみたら当然の話です。
今や経済状況がもの凄いスピードで変化している時代です。
そんな中、大企業みたいな「1つの判断を決定する為にハンコが10個以上必要な会社」が、
まともに対応できるわけがないのです。
(だから、Appleみたいな会社以外は軒並み悲惨な状態になっています。)
じゃあ中小企業はどうかというと、更に深刻な事態です。
中小企業って一体何をしてるのかと言うと、
大体は「大企業と下請けを繋ぐ」という事です。
例を挙げるとこんな感じ。
下請け
↓ ⇒マージン
中小企業A
↓ ⇒マージン
中小企業B
↓ ⇒マージン
中小企業C
↓
大企業
ようは、中小企業Aが下請けの会社を見つけて、
それを中小企業Bに紹介(ここでAは中間マージンを取る)、
BはCに紹介(ここでもマージンを取る)、Cは一番上の企業に紹介(ここでもry)。
・・・と、こんな感じです。
今3つしか書いてませんが、実際はもっと多いです。
縦にも横にも。
同じ様な事してる中小企業は沢山あるわけで、
それらの会社が一生懸命、他の色んな会社に営業をかけにいくわけです。
自分の会社と契約してくれ!と。
じゃあ一番上の企業は、色んな会社が「僕と契約してくれ!」と言ってくる中、
どうやって選んでるかというと、一番仲良くなった所です。
だから、「接待」とかがあるわけですね。
いかに機嫌を取って、契約を取るかという世界。
少しでも機嫌を損ねたら、一瞬で契約は切られます。
別に1個会社が潰れたって、他の会社は全く困りません。
だって、いくらでも同じ様な会社はあるわけです。
「あなたが死んでも代わりはいるもの」状態です。
つまり、言い方悪いけど、中小企業にはあまり存在価値が無いわけです。
存在価値が無いものは消えていくのが自然の摂理なわけで、
これからどんどん中小企業は潰れていきます。
因みに、これは全てのビジネスにおいて言えるでしょうね。
よく、これからは「二極化」「M字型社会」「空洞化」の時代とか言われてますが、
ようは今後はインフラと個人だけが生き残って、
中小企業はどんどん消えていくのです。
※インフラってのは社会システムを維持する為に必要なもの
この背景には「グローバル化」というものがあります。
今や国境を越えて、多くの人が情報発信をする時代です。
物流の自由度もどんどん上がってきています。
するとどうなるかというと、「価値の平均化」です。
ソーシャルネットなども発達した現代において、
皆が情報発信をして、情報がめちゃめちゃ溢れかえってる為、
もはや秘匿性の高い情報なんてものは存在しなくなったのです。
「秘匿性の高い情報を知れば稼げる時代」は終わりました。
そんなものがあれば一瞬で広まって飽和するからです。
あるいは、もっと身近な例で言うと、労働者層の賃金がどんどん下がっているというのを聞いた事があると思います。
あれは中国とか、あの辺の賃金がめちゃめちゃ安い人達がどんどん日本に来て働いてる為、
労働力自体の価値がどんどん下がってきているのです。
僕も、昔ベトナム人の方を外注として雇っていた事がありました。
給料は日本人の20分の1くらいです。
それでも、喜んでやってくれます。
・安い賃金で喜んで働いてくれる外国人
・高い賃金でも「安すぎる!」と不平不満をたれる日本人
どっちを雇いたいかと聞かれたら答えは明白。
「愛国心が」とか言われても、大企業だって赤字で苦しんでるのに、
賃金は少しでも安い方を雇うに決まってます。
「労働者を守れ!」みたいな運動をしたって、
守ってたら会社潰れて全滅するんだから、
「無茶言うなよ」って話です。
つまり、もう認めなくてはいけないのです。
労働力に価値なんてほとんど無い
という事に。
僕の近所の駅の近くにあった駐輪所は、
昔は色んな人が働いてたのに、今は無人です。
全て自動で機械がやってくれるのです。
この様に、労働はどんどん機械に任されていくのです。
100人分の作業を機械1つがやってくれるなら、
100人を解雇して機械を買った方が良いのです。
こんな状態で、もし会社に就職するとしたら、
「本当に好きな事ができる仕事」
「自分独自の能力を発揮できるところ」
以外、有り得ないのです。
で、僕は実際就職活動はやりました。
その上で、
「あぁ・・・無いな。」
という結論に至りました。
考えてみたら、本当にやりたい事できてる人って今日本に何%くらいいるんだろう、って思います。
だって、僕の大学の友人だって、
多くは研究職を諦めて、色んな会社を受けて(何十社と。)、
その中で”採用してくれる”会社がどこかあればいいな、という状態でした。
(幸い、僕の友人は僕よりもはるかに優秀な人達ばかりで、
軒並み良い会社に就職しておりましたが。)
自分の好きなところに入る、とかじゃなく、
会社が「こいつの能力はうちで役に立つ」と思った人を雇うわけです。
選ぶのはあくまで向こう。
たった数か月で、残りの人生60年くらいが全て決まるわけです。
いやいや、おかしいだろこの状況!
と思わなくてはいけないのです。
しかし僕も、
実際にある程度自分で稼げる様になって、実際に就職活動をして現実を知るまで、
頭では分かっていても、「まぁこれが普通だよな」と思い続けていたのです。
皆と同じ事してた方が安全だ・・・みたいな。
でも、これが日本教育の洗脳だったのです。
洗脳とか言うとちょっと言い方悪いかもしれませんが、
ようは「効率良く労働力を提供してくれる人間を作る為には」と考えると、
自然と現在のシステムになったのでしょう。
でも、何年もかけて労働力を作る教育をしておいて、
「いや、でも外国人の方が安いし、もう社員も沢山いるし、別に要らない」
と言われるわけです。
なので必死に、
「どうか私を雇ってください。
御社の為に、私の労働力を提供するので、採用してください。」
と言わないと生きていけないのです。
い い の こ れ で?!
・・・という事で、僕は就職をやめました。
と同時に、大学院も中退し、独立する事を決意しました。
自由に生きたっていいんです。
だって労働力求められてないですもん。
要らないって言われてるのに、あえてそこにお願いして無理矢理雇ってもらうなら、
もっと自分を必要としてくれている人達を見つけた方が良いなと思ったのです。
そこで見つけたのが起業という道。
僕はビジネスの原理原則を色んな業界に生かし、
一定の実績を出す事ができました。
僕はこれからも、色んな人にビジネスを教えて、色んな人を自由にして、
色んな選択肢を提示していけたらと考えています。
安定なんて、求めてちゃダメなんです。
というか、真の安定は、自分で稼ぐ力を身に付ける事だったのです。
これが、僕が辿りついた結論です。
というわけで、今日はこの辺で。
次回は、僕の”地獄の”バイト時代のお話です。
第3章 新田祐士の地獄のバイト生活時代